これはクッキングができる薪ストーブ。
オープンデスク(インターンシップ)で来てくれていた学生さんがつくってくれました。山すその小学校だった場所が、里山交流研修センターです。
管理者の里山ねっと・あやべさんが中心となり、取り組まれています。無味乾燥な駐車場だった場所が楽しげな広場になっています。
完成した森もりホールは、さまざまな催しに使われています。設計者としてもうれしいことです。
綾部市長さんの直筆文字を陶板にひきうつしてつくった館銘版です
中庭から山への風景が見えるようにやさしい屋根の形にしました。
様々なイべントの中心ともなる中庭にむけての大開口を実現し、かつヒューマンスケールな建物となるような架構です。棟のキール梁(竜骨梁=船底を背骨のように船首から船尾まで通す構造体)とその荷重をささえる4本組組み立て柱でつくる大きなアーチを基本骨組みとし、そのままテザインとして表しています。
もともとの学校の図書館にあった地域の古い資料なども森もりホールのなかに。
自然素材と日本建築の原則を大切に。深い軒の出と大きな開口部によって風通しよく、心地よい半屋外的空間をつくりました。土間の木材チップタイルは冬の底冷えをやわらげ、夏には日射をうけてもコンクリートのように温度が急上昇しにくい素材です。
綾部市里山交流研修センター
元小学校の建物を使い綾部市への定住を促進する拠点の役割を果たしてきた「綾部市里山交流研修センター」。3年前の大雨で裏山の土砂が崩れ、スポーツや集会に使用されてきた体育館が壊れてしまいました。「森もりホール」は、それに代わる多目的ホールとして、京都府の「森の京都」構想にも位置づけられて建設されました。
わたしたちは、2015年秋の設計プロポーザルで選定いただき、設計監理に携わらせていただきました。わたしたちは建物デザインに加えて、古い小学校の環境を引継ぎながらセンター全体の魅力を高めていくことを主眼に提案をしました。できるだけ地元産の木材を使うことも設計の大きな柱でした。また随所に施設管理者である里山ねっと・あやべさんのアイデアによる楽しいしかけや雨水利用のエコの工夫も盛り込まれまていきました。
竣工以来、多くの方々に利用されているようです。末長く、多くの人に親しまれる建物となることを願っています。ぜひ機会をつくり、訪れていただけたらと思います。
里山ねっと・あやべ https://ayabesatoyama.net
*一部掲載写真は里山ねっと・あやべfacebookページからの転載です。
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