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庭を身近にとりもどす

 

こんなに日当たりよく、気持ちよさそうな広縁ですが、改装前はここにお風呂と脱衣場、洗濯場があり、残念ながら庭と住まいの関係はなかば切り離されてしまっていました。生活の必要のなかで、増築を繰り返してきた住まいの改修では、全体を見直しながら間取りを組み替えたり、時に減築もして、光や風を取り入れていくことが大切です。

                  

築45年の木造2階建て住宅。Yさんの直接のご要望は、将来にむけて、だんだん1階で暮らしが完結するように考えていきたい、そして、2階は将来娘さんご家族が住めるように整えておきたいということ。友だちを家に呼んで、お茶を楽めるようにもしたいとのことでした。 もともとYさんは草花も大好きで、自分で四季折々の草花を植えて、楽しんでおられるといいます。であれば、なおさら暮らしのさまざまなシーンに、庭がいつも身近に感じられるにちがいありません。            

 

プランは、できるだけ大きく庭に開きながら、1階全体をゆるやかにつながるワンルーム的な間取りとしました。トイレ・浴室回りも従前よりも広くとり、開け放しておけるよう「しつらえ」を工夫しました。5月の新緑のときに写真をとらせてもらいました。「もう少し早くくれば、ボタンがきれいだったのに」と。工事にびっくりしたのか元気をなくしていたウメの木にも新芽がでてきていました。ユスラウメの赤がきれいでした。もうすぐ朝顔を植えようかなと楽しそうにおっしゃっていました。  コンパクトで隅々まで把握できる気持ちよさ、すがすがしい住まいになったと思います。                   

  京都市 2013年6月竣工

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