日本の子ども部屋は、1960年代ごろから、学習机とセットになった主に勉強部屋として普及しました。でも実際には、多くの子どもが、少なくとも小学生くらいまではリビングで勉強しているというデータがあります。実態と勉強部屋としての子ども部屋のある住まいは、長い間ずれたままだったわけです。
リビングで勉強するのはよいのですが、のびた君の家のようにリビングから離れた2階に子ども部屋がある場合などは、おそらく子どもの教科書やランドセルもリビングに置いたままになっていることも多いのではないでしょうか。使う場所の近くにモノが置かれやすいのは必然だからです。仮置きのはずの子どものモノが常時リビングに散らかっているのは、なかなかストレスになります。
『頭のよい子が育つ家』(四十万靖ほか著、2010)という本が出版されたころからか、ハウスメーカー各社の住宅コンセプトにもリビングに勉強コーナーを配置するようなものが増えてきました。たとえそこで勉強していなくても、少なくとも2階の子ども部屋までランドセルを持って行かない子たちの、リビング内マイスペースとなっているのではないかと想像するこのごろです。(亜)